大村洋子
大村洋子大村洋子

日本共産党 東京都議団がPFAS問題で横須賀視察懇談

元参議院議員の小泉親司さんは日米同盟の異常さを端的に3点でまとめている。①世界で唯一の原子力空母の母港がある②殴り込み部隊である米海兵隊の基地がある③首都に外国の軍隊(米軍基地)がある。まさに沖縄、神奈川、東京は基地のまちであり、だからこそというべきか、今やPFAS汚染の問題でも注目の地である。

斉藤まりこ都議から連絡をもらった。「なぜ、横須賀は米軍基地への立入りが叶ったのか?」「なぜ、粒状活性炭フィルターの設置ができたのか?」ぜひ、直接担当者から話を聴きたいという。

東京の三多摩地区、横田基地の東側ではPFASの血中濃度が明らかに高いことが検査で分かっている。京都大学の小泉名誉教授、原田准教授がエビデンスを示して指摘している。当該の自治体、東京都議団、国政を挙げて日本共産党は横田基地への立入りや水道水、井戸の調査、国による血中検査を求めている。

神奈川県内でのPFAS汚染問題を考えた際にも横須賀はなぜ、立入りができたのかということを考えたことがあった。一番大きな理由は米海軍自身が基地からの流出を認めたということにあるのではないか。なんせ、昨年2022年の5月4日基地内の排水処理施設に「特異な泡」が発見されたのだから。私はずっとそう思ってきたし、それは間違いないのだが、今日の懇談の中で改めて大きくうなづけた点は、発見だけではなく「米側から、PFOS 等を含む排水が米海軍横須賀基地の外に流出した可能性があるとの通報が在り」という点だった。米軍自身が初めの段階から海への流出を言及していたのだ。そして、それに対して、市は6番として「今後、立入調査等が必要と判断した場合、円滑な調査の実施等に全面的に協力すること」と要請していた。以下に第1報を掲載。

もう、忘れかけていたが、私は昨年の2022年8月29日の一般質問において2つ目の柱として「米海軍横須賀基地からのPFOS等(有機フッ素化合物)の流出について」で10問質問しその9問目で「上地市長は7月1日の防衛大臣への要請で立入調査に言及している。市民の健康を守る立場から国や県と連携しながら行うことが必要ではないか。」と「立入調査」に言及した。しかし、このときには”けんもほろろ”だったのだ。県と歩調を合わせることの大嫌いな上地市長は「なんで県と一緒に?」と言って不機嫌な答弁をしたことが想起される・・・。

しかし、市は初めの段階で要請にもうたっていた通り、立入りを視野に入れていた。そして、それを私の質問に対しては良い答弁はしなかったもののずっと機会をとらえていたのではないかと思う。日米地位協定の環境補足協定を熟慮し、米軍の言質もあることだから、これなら立入りは可能であろう、そう捉えて粘り強く交渉してきたのだと思う。この立入りはアリバイ的なものであったという評価に今での変わりはないが、しかし、それでもそこに至るまでの努力の内実を少し垣間見たような思いにもなった。ほぼ1年経つ中で、あの立入りとは一体何だったのかという少し俯瞰した見方に立って見ることが可能になったのかもしれない。

もう1つ、横須賀市が立入りができた理由は、最初の小泉親司さんの世界で唯一の原子力空母の母港、これが大きいと思う。アメリカの世界戦略である。アメリカは横須賀でいざこざを大きくしたくなのだろう。そこに尽きる。他方、米海軍横須賀基地はまだ良い、しかし、在日米軍の中枢ペンタゴンに近い横田はダメだ、横田への立入りは許さぬと思っているのかもしれない。そうそう、粒状活性炭フィルターは米海軍が設置した。お金と時間と労力を使って、設置した。稼働し続けるにもかなりコストがかかるらしい。それだけアメリカにとって横須賀は大事なのだということだ。

いずれにしても、伊勢崎賢治氏がおっしゃる「主権なき平和国家」である日本の現状に対して、私は考えただけでもムカムカするし、早いところ外国の軍隊は日本から出て行ってほしいのである。有害物質を垂れ流しておいて、粒状活性炭フィルターをつけたから良いでしょうとはならないのである。

左から日本共産党 福手ゆう子都議、
斉藤まりこ都議、大村洋子、尾崎あや子都議