大村洋子
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「ゾウの時間 ネズミの時間 私たちの時間」本川達雄先生の講演

ゾウの時間ネズミの時間私の時間 (1)

2月の「広報よこすか」で、この企画を目にしたときには嬉々として、すぐさま応募しました。環境政策部によれば予想を上回る人気ぶりで、当初博物館の部屋を使用するつもりだったが、急きょ文化会館の中ホールにしたとのことでした。

とまれ、私は本川達雄さんに直接お会いし、お話が聞けるということでいさんで出かけた次第なのです。

なぜ、鼻の穴は2つなのか?これは長きにわたっての私の中での疑問。

先日、朝の食卓で夫と議論になり夫曰く「臭いの方向を知るためではないか?」とのこと。なるほど、そうか、たしかにね、耳は左右や遠近、目も遠近感等の距離感、鼻は・・・臭いの方向ねぇ、だったら、もっと離れてる方がいいのではないかな・・・。目だってさぁ、指の先にあれば、もっと良く見えるし、なんで首より上に感覚器が集中してるんだろうか。

50代のおばさんになった今も私はこんなことばかりを真剣に考える。

これはやはり、本川達雄先生の「ゾウの時間ネズミの時間」を読んだから。

今日のお話の中で、「私」は「私」を渡していくというお話がとても印象に残りました。ダジャレの効いた言い回しで、本川先生らしい。なぜ、人はどうせ死ぬのに生まれるのか?いや、人に限らず全ての生き物はどうして生まれやがては死ぬのか。アポトーシスとアポビオーシス。個体としては死んでも、種としては繋がっていく。そのことが今日のお話の中で深まりました。

伊勢神宮の式年遷宮のお話が出てきて、それも非常に興味をそそられました。20年に1度新たに作り直される儀式、これによって伊勢神宮は1300年の長きに渡り守り続けられてきました。本川先生はこの式年遷宮と親から子、孫へと「私」が受け継がれていくことをオーバーラップさせて考えていました。

天皇制と政治統治の文脈での展開は今日は避けるとして、私自身は伊勢神宮に行ったことがありますし、この文化が長きに渡り日本人の心に受け継がれてきたことに対しては、率直に畏敬の念を持ちます。

本川先生は、この儀式を生物学的見地から観て、継承のメカニズムとして観ているわけで、そこがおもしろいなぁと思ったわけです。

ゾウの時間ネズミの時間私の時間 (2)

サインをしていただき、握手も交わしました。

嬉しくって、一生の思い出です。