大村洋子
大村洋子大村洋子

「未病を治す三浦半島宣言」介護認定率16%にモノ申す

11月2日に「三浦半島サミット」が横須賀市役所 正庁で行われた。三浦市、逗子市、鎌倉市、葉山町、横須賀市の4市1町の首長が一堂に会し、三浦半島全体を盛り上げるための算段をしようじゃないか・・・平たく言えば、趣旨はこんなところだろうか。

5回目を迎えた会合の舞台が横須賀ということで、気軽に傍聴のできる条件を利用してはじめて「三浦半島サミット」を「体感」した。

少々、脱線するが、日本共産党の三浦半島地区委員会もこのサミットと同じ4市1町で構成されている。日本全国いろんな地域ブロックがあるだろうが、三浦半島ほど個性的な市町の集合体はちょっとないんじゃないだろうか。平成の大合併でも幸か不幸か「結婚」が実現しなかった。

わが党の構成と同じ三浦半島4市1町の首長さんたちがどんな発言をするのか、いさんで傍聴に出かけたわけだが、そうですね・・・少し、耳の痛いことを言わせてもらうとすれば、「未病を治す三浦半島宣言」の中で介護保険認定率を16%と数値を具体的に出してアピールしたのは、失態だったと思います。というより、国の介護保険制度の間口を狭める政策と連動して、悪意すら感じました。4市1町のトップリーダーたちが口をそろえて、介護保険認定率を下げよう!16%だということで、執行担当者であるそれぞれの自治体の職員やそのまちに住む住民、とりわけ高齢者がどう受け止めるか、想像してみよと言いたい。

「未病を治す」という発想は東洋医学からきているようで、人の身体は「健康」と「病気」の間を揺れ動いているという。昔、読んだフリードリッヒ・エンゲルスの「空想から科学への社会主義の発展」の中に、「生」と「死」をどう捉えるかというくだりがあって、やはりそこにおける明確な線引きはできないという考え方―弁証法―を思い出す。無数の「アポトーシス」の最後に「アポビオーシス」がやってくる、そしてその「アポビオーシス」でさえ、一瞬のことではない。「未病を治す」という一見すると逆説的な物言いの中に何か森羅万象が含まれているようで、私は個人的には好きなんだ。というか、私は勝手に「未病を治す」=弁証法的と思い込んでるわけ。

とまれ、「未病を治す」ということは事ほど左様に、漠としたものだと思う。そもそもこの漠としたものに介護保険認定率の数値を持ち出してくることに、私はひどく違和感を覚える。

そもそも、神奈川県が進める「未病を治す」とは生活習慣病に重きを置いている。・・・・まだ、つづきます。・・・

椿と千両

千両と椿  深紅とピンクのコラボ