「八紘一宇」世界が一つの家族のようにと言いながら、やったことは何かと言えば、侵略戦争である。
自民党の三原じゅん子参議院議員は、私と同い年なので、「金八先生」の頃からテレビで見て知っている。昔から保守の中でもかなり右の考え方の持ち主だなと見ていたけれど、なんと国会の中で「八紘一宇」発言。
企業の国際的な課税回避の問題を取り上げる中で「八紘一宇の理念のもとに、世界が一つの家族のようにむつみあい、助け合えるような経済、税の仕組みを運用することを確認する崇高な政治的合意文書のようなものを、安倍総理こそが世界中に提案していくべきだと思う」と語った。文脈から考えるに、なぜ、ここでわざわざ「八紘一宇」?と思うほどのこじつけである。それで、そのあとは麻生財務大臣に「八紘一宇をどう思いますか?」と聞いている。
「八紘一宇は戦前の歌の中でもいろいろあり、メーンストリーム(主流)の考え方の一つなんだと思う。こういった考え方をお持ちの方が、三原先生の世代におられるのに正直驚いた」と答弁したところをみるに、麻生さん自身面食らったようだ。
三原議員は自身のブログにこう書いている。
「八紘一宇」とは
テーマ:ブログ
「八紘一宇」というのは、『日本書紀』において、初代神武天皇が即位の折りに「掩八紘而爲宇」(あまのしたおおひていえとなさむ)とおっしゃったことに由来する言葉です。
(※2月11日の建国記念日が、神武天皇が即位したとされる日)。
この「八紘一宇」とは、簡単に言えば、「ひとつの家族のように仲良く暮らして行ける国にしていこうではないか」ということなのですが、昭和13年に書かれた「建国」という書物によりますと、
『八紘一宇とは、世界が一家族のように睦(むつ)み合うこと。一宇、即ち一家の秩序は一番強い家長が弱い家族を搾取するのではない。一番強いものが弱いもののために働いてやる制度が家である。これは国際秩序の根本原理をお示しになったものであろうか。現在までの国際秩序は弱肉強食である。強い国が弱い国を搾取する。力によって無理を通す。強い国はびこって弱い民族をしいたげている。世界中で一番強い国が、弱い国、弱い民族のために働いてやる制度が出来た時、初めて世界は平和になる。日本は一番強くなって、そして天地の万物を生じた心に合一し、弱い民族のために働いてやらねばならぬぞと仰せられたのであろう。』ということです。
三原議員はこのように書いていて、コメントが多数つけられている。以下にいくつか。
*戦後は、死語となって使われなかった「八紘一宇の精神」を、国会の場で見事に復活して頂いたことは感謝に堪えない。胸がすくような実に素晴らしい発言でした!天晴れ大和撫子! 今後の貴台のご活躍に期待します。
*侵略を正当化するために利用されてきた八紘一宇のスローガンを、本当は素晴らしい理念として発言された三原先生のお姿、とてもかっこよかったです。昭和58年には中曽根康弘総理大臣は、衆議院本会議で「戦争前は八紘一宇ということで、日本は日本独自の地位を占めようという独善性を持った、日本だけが例外の国になり得ると思った、それが失敗のもとであった」と発言されていますよね。過去の総理の発言を覆すほどの内容!野心的なお姿に感心いたしました。
だいたい、こんな感じの三原議員の発言を賛美するものが多い。
私のフォーローしているツイッター上の人々は、逆でほとんどが否定的な発言をしている。いま、三原議員の発言をめぐってすごいことになっている。
私は、同い年の三原議員が「八紘一宇」を口にして、安倍首相をけしかけ、この精神で世界を牽引せよと言ってることに時世の深刻さを感じる。日本が一番強くなって、弱い民族のために働いてやらねばならぬ・・・・・いったい何様のつもりだろうか。この考えが、「大東亜共栄圏」日本がアジアを開放してやったなる傲慢な考え方につながるのだ。
先日もブログに書いた育鵬社の社会科教科書の波及と機を一にして国会で、こういう発言がされるというのは、決して偶然ではない。しかも、それを支持する一定の潮流があるということ。本当に恐ろしい世の中だ。気が付いたら戦争になんてことになりかねない。
画像はここから拝借しました。http://blog.livedoor.jp/bbgmgt/archives/2014-09-28.html