石垣島・与那国島・宮古島3島をめぐる平和交流の旅⑤
ホッと一息、ほっこりできたのは与那国馬が草を食んでいる姿だった。日本には現在在来の馬が8種類いる。北海道の道産子は有名だが、与那国島には与那国馬が宮古島には宮古馬がいた。前者は与那国町の天然記念物で後者は沖縄県の天然記念物となっている。
近くへ行っても草を食むことに夢中らしく、おびえることもなく嫌がることもなく、頭をなでさせてくれた。穏やかな気質の馬だった。「オキナワ島嶼戦争」という本の中には基地施設の新設のために馬の放牧エリアが狭まったと書いてあった。馬が一定のエリアから外へ出ないように「テキサスゲート」という地面に格子状の障害物が埋め込まれていた。観光バスの運転手さんの話では、こんな簡単なものでも馬は臆病なので、足がはまることを恐れて近づかないのだそうだ。
馬がいるのはいいなぁと思った。
動物のことで思い出したのは上野動物園の「ぞうの花子」のお話だ。実際にあったことで、時の東京都知事の命令で、3頭のぞうが殺処分された。毒入りの食べ物を出しても吐き出してしまい、結局餓死していったという悲しいお話だ。つまり何がいいたのかというと、人の暮らしに動物がいるというのはそれだけ平和ということだ。戦争になれば動物は養えない。逃亡する恐れもあり、殺処分令がでるのだ。
同じように思い出されるのは東日本大震災の福島原発事故時の家畜である。最近は災害時の避難所にペットも連れていける想定が進んでいる。私は「地域防災計画検証特別委員会」の構成メンバーだったが、避難所とペット問題はかなり議論を交わした。家族同然だから一緒に避難できるとするのが今の潮流なのだ。
災害避難はそのようになっているが、戦争のときはどうか。先のぞうの花子のことを考えれば、そうはいかない。そんなこんなを考えると、与那国島に馬が自由に放牧されていて、私はホッとした。基地の増設はあったにせよ、まだ馬が草を食む姿が見られたのだ。
さて、動物のことで、思い出したことがもう1つ。パンダのことだ。和歌山県のアドベンチャーワールドにいた「浜ファミリー」は全員中国へ帰ってしまった。上野動物園にいる現在の2頭も今年2月には契約が終わり、中国へ帰るそうだ。そうなると日本にいるパンダはゼロ。寂しすぎる。パンダはワシントン条約で譲渡はできないそうだから、中国との国交の良し悪しが極めて大事になる。このところの首相や防衛大臣の軽はずみな発言によって、中国との間柄が悪くなっているのは誰もが思うところ。動物が身近な場所から消えていくというのは災害、政情不安、戦争の前触れだ。子どもたちのアイドル、パンダがいつも見られる日本の動物園に、ミサイル列島ではなく8種類の在来馬がのびのびと闊歩する日本列島に。政治の責任はこんなところにも繋がっている。






