大村洋子
大村洋子大村洋子

旧軍港市転換法を考える

三浦半島地区労センター事務局長 森田洋郎さんの「軍転法施行規則条例ってなんだ!」という内容のお話を伺う機会があった。この数年、「旧軍港市転換法」について、様々な機会で学んできた。議会の中でも直接取り上げ、市長や理事説明員とやり取りしてきた。

学べば学ぶほどわけがわからなくなる・・・・。そいう言うと無責任に聞こえるかもしれないが、軍転法ほど多面的で捉えようのないものはない。上からライトを当てたら丸なのに横からライトを当てたら、なんだ長方形じゃないか、しかも表面をよく見ると文様がある、中は空洞のところと密度の高いところがまばら・・そんな得体の知れない物体を眺めているみたいな感じなのだ。時間によっても地域によっても人の立場によっても全然捉え方が違う。

それでも、このまちの市是として、基本構想・基本計画にうたわれている。形骸化している感も否めないが、横須賀市というものを掘り続けると、その中心部分に間違いなく在り続けて居る動かしがたいもののようだ。

一番最近の私の市長への質問に対して、上地市長は当たり障りなく以下のように答弁している。

旧軍港市転換法は、終戦により立市の基盤を失った横須賀、呉、佐世保、舞鶴の旧軍港4市が、旧軍用財産を公共施設や平和産業施設に転用し、まちを再建してきたもので、当時の市長や市民の様々な働きかけなどがあって、成立したものと理解をしています。

このように時の市長はどの市長も旧軍港市転換法を無視できない。必ず念頭に置きながら、市政運営をしていかなければならないのだ。

そのような内心の心模様に対して私は「折り合い」という言葉を用いて質問したことがある。

「本市は、基地があるわけなのですけれども、旧軍港市転換法で平和産業港湾都市だということを目指しているわけなのですが、市長はそういう中で、どうなのですか、折り合いをつけているというような感覚なのですか。誇りを持っているとか、責務だとかいうふうに表現されるのだけれども、折り合いをつけているのだという思いですか。」

これに対して上地市長はこう答弁した。

「折り合いという意味がよく分からないのだけれども、国家の安全保障、日米安全保障条約の中で、横須賀市の置かれている立場というのは非常に重要であるということは理解している。軍転法によってできる限り基地を返して平和な社会をもたらさなければいけないということも事実。ただ、ここまで複雑化して、厳しい安全保障環境の中で、その中で私が何をすべきかということ、折り合いではなくて、現状認識の中で何ができるかということは常に考えています。平和な社会をつくるというのは、私の永遠のテーマなので、折り合いという言い方ではあまり理解はしたくないので、折り合いではなく、チャンスをうかがっているという理解でいただければと思います。」

苦しい答弁だ。軍転法は基地の返還で平和な横須賀の完成を時の首長に迫って来た。私だってよく理解している。しかし、情勢は複雑化、厳しい安全環境だ。何をすべきか、折り合いという言葉で理解したくない、チャンスをうかがっていると考えてほしい。市長はそう言っている。

「折り合い」という言葉は「妥協点」と隣り合わせの言葉だと思う。そして、そこには何とかうまく事が運ぶようにという努力もにじみ出た言葉だ。しかし、そういう押したり引いたりの微妙な駆け引きではなく、市長は「チャンス」だと言った。そんなに積極的に狙ってきたの?と言いたい気もする。

私としては過大評価じみた言い方で「折り合い論」を始めたのだが、「折り合い」ではなく「チャンス」なんだそうだ。このやり取りの続きはまた一般質問で行おうと思う。

奥深い旧軍港市転換法について飽くことなく研究していきたい。

友人のS.Yさんの素晴らしい写真。紅葉、サザンカ、月。