大村洋子
大村洋子大村洋子

一般質問 米海軍基地からのPFAS

9月19日に行われた一般質問では

①米海軍基地からのPFAS流出

②自衛隊への名簿提出

③横須賀市の港湾管理権 以上の3つは「自治体の本旨」の観点から質問を構成した。

④上下水道局の不明水量処理について

⑤ジェンダー平等 選択的夫婦別姓 市長のDNA発言

⑥福祉援護センターかがみ田苑の運営形態について

①~③は1つとしてカテゴライズしたので、全部で4柱、しかし内容としては6項目となった。

6項目もあると1つ2つは一問一答で省くことになるのだが、今回は6項目とも行おうと思った。なので、サポートしてくれた井坂なおし議員には「1項目、だいたい、3分でやろうと思う」と伝えておいた。結果、1つ1つを詳細には質疑できなかった。そこはしかたない。項目を切り替える時には出来るだけ結論的に言い切ってメリハリをつけて次の項目へ移行する、そういう構成にした。3分と決めていても市長の答弁があまりにおかしな内容だと、そこはどうしても指摘したくなり、沼地に引っ張り込まれてしまうことになるので、注意が必要だ。今回も危うくそのような場面があったが、いかん、いかん自己規制して難を逃れた。

米海軍基地からのPFAS流出

さて、今日はPFAS問題を振り返る。これまで、私はPFAS(はじめはPFOSと表記)の質問を8回行ったことになる。一般質問で4回。緊急質問で2回。文書質問で1回。そして、「特異な泡」が基地内で見つかる前の代表質問でも取り上げていたので、計8回目となった。このPFAS問題、横須賀市としてどのような問題として捉えることが必要なのか、そのために到達点をはっきりさせたいと思った。

7月10日の南関東防衛局と米海軍司令官とのやりとりで、一番注目される点は今後の原因究明についての横須賀市の態度である。米海軍と防衛省は原因究明は難しいという。横須賀市もそれを受けて一気にトーンダウンした。これは事実上の原因究明放棄である。今回の質疑の中ではそれは許されないとはっきり延べ伝えた。

市長は「改めて国に確認してみたい」とか「原因究明については質していきたい」とか「究明しなければならないと思っているが、まずはサンプリング結果の公表を求めているので、今そういう(原因究明を求める時期)状況ではない」との答弁だった。

完全に後退したなと思った。防衛大臣に抗議をし、基地への立入りを求め実施した首長が、「難しい状況、仕方ない」と言っている。諦めさせられようとしている。もう、半ば諦めている。これはとうてい許されないことだ。

もう1点、現在全国に散見されているPFAS汚染と横須賀の相違点である。端的に言って、飲料水なのか排水なのかという問題である。市は盛んに「風評被害」と言う。この風評被害という前提は何かというと、人体に直接影響のある飲料水ではないとの思いではないかと私は思っている。そこで、その前提を今回質問として入れてみた。

「どの程度の量が体に入ると影響が出るのか未だ確定的なデータはない」との答弁で、2問目ではさらに環境部長がコレステロールの話などを展開した。健康部長ではなく環境部長が答弁したことに少々驚いたが、人体への影響という観点をそれをそれとして俎上化したことは次なる議論の広がりを切り開くことにつながったと思う。

つまり市としては、こうだ。未だ人体への影響の確定的なデータもないPFAS、しかも直接市民の口に入る飲料水ではなく、海水への排水である。そして、現在は暫定目標値であり環境基準値でもない。海水のサンプリングは定期的に行っていて暫定目標値の50ng/Lを優に下回った値となっている。

だから、むしろ騒ぎ立てて風評被害が広がることの方が問題なのだと。

でも、本当にそうだろうか。飲料水であろうが排水であろうが、もとは同じである。有機フッ素化合物、未だ確定していないとは言え、私は早晩、この物質は人類が排除する対象として確定されると思う。今、横田基地の周辺の市町村では血中検査を行っているし、その検査は東京三多摩地区にとどまらず、大阪府や岐阜県にも広がりを見せている。汚染源は米軍基地だけではなくダイキンなどの大企業も絡んでいると言われている。アスベストやダイオキシン鉛、ヒ素、放射性物質などと同じ潮流、「公害」の範疇に入るものにもなり得ると思う。

排水だから基準値もないし、人体への悪影響も確定されたわけでもないからと言って、のんきに構えていることはできない。だから、原因究明を握って放してはいけないのだ。

横須賀市の場合は日米地位協定がらみでもあるので、両側面から、これからもしっかり見ていきたいと思う。

横田基地周辺自治体のPFAS血中濃度検査の分布(京都大学原田浩二准教授の調査)