大村洋子
大村洋子大村洋子

女性蔑視の上地発言を考察する⑥

いったい、何がそんなに問題なのか?おそらく、上地市長はほとんど何もわかっていないのだろう。だから、記者会見でニヤニヤしながら現れ「お騒がせしちゃいました」というふうに緊張感のない態度をさらしてしまった。あの態度が良くなかったと何人もの人、しかも男性の3,4人からも聞いている。

あの記者会見は何だったのか?

6月21日の夕刻に記者会見は行われた。ほぼ、全部にあたる動画による録画中継を私も見たけれど、今もって、あの記者会見は何だったのか?と疑問が残る。全篇に渡って「やらされ感」が漂っている。騒ぎが広がっちゃったから、ここらで、一応、謝っておいたほうがいいのかな・・?程度の雰囲気だった。文字お越しをしてくれた方がいる。以下に掲載。何度も記者の質問を遮っている。態度が悪い。

記者会見の中で市長は「歴史的に大変な思いをされている方々の思いを代弁する」と言っている。ここで、大変な思いをされてきた方々とは女性たちのことを指すのだろう。しかし、代弁するというが、代弁できるのだろうか。市長は男性であるし、その市長が女性の代弁者になれるのだろうか。なれるわけがない。なれると思っていることじたいが、既にはき違えている。

そして、「私の配慮を欠いた表現により不快な思いをされた方がいらっしゃったことについて、まずは率直にお詫びを申し上げたい」と言っているが、どの表現に不快な思いを持たれたのかには自ら触れていない。後に記者にどの部分が不適切だったと?と聞かれて「ご指摘をいただいた遺伝子の問題だとかというところ。体にもあれしてるというのが非常に不愉快だ、不快だというご指摘をいただいたんで、ある意味じゃオーバーな表現だったかもしれませんが、それほど日本社会っていうのは戦争も含めて女性がかなりつらい思いをされてきたという現状があって、これは私の常々感じて、そういうところから脱却する社会をつくりたいという思いが私の中にありましたので、それがある意味では、私の差別のない社会などというのが 1 つのテーマだったのが、そのような真意を取られないような発言をしたということに関しては、むしろ私が反省しなければいけないのではないかというふうに思っています。」と言っている。

遺伝子の問題が何だと認識しているのか、あいまいだ。表現がオーバーだったのが問題なんだろうか。そうではなくて、事実ではない、つまりフェイクであるということが問題なのではないか。常識のある人物ならば全員が即座に「そんなことあるわけないじゃないか」と思う。そんなこととは「女性のDNAミトコンドリアの中に常に虐げられた歴史があって、その怨念、無念さが今の社会を構成している」という部分である。まるで、サイエンス・フィクションの世界である。事実でないことを公式の場で言ってしまえる、その資質に問題があるのではないか。その自覚がないことに問題があるのではないか。そして、ことは単に事実と違うという点にとどまらず、それは差別の現実で生きている人々を愚弄するということに通じる。その自覚も全くなく、今に至っても、代弁すると言って憚らぬその心根が、問題なのだ。自分は、まったく悪気がない。だって、自分は差別をなくしたくて政治を志したのだから。100万回だって繰り返し言うだろう。自覚のない人間はいつまでも堂々巡りだ。その言動自体が差別そのものであることに気が付いていない。⑦へつづく。

女性蔑視の発言をする上地市長
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