大村洋子
大村洋子大村洋子

緊急質問

横須賀市議会会議規則第54条「質問が緊急を要するときその他真にやむを得ないと認められる時には、議会の同意を得て質問することができる。」昨日はこれに則り緊急質問をおこなった。過去はどうだったろうかと会議録を振り返ったら、2017年にも前市長の名刺問題で緊急質問をおこなっていた。ほとんど忘れかけていたが、したがって今回は2回目であった。

今回は米海軍基地のPFOS等流出問題で9月12日に市から第3報が出たのを受けて市長に質問した。8月29日の9月定例議会一般質問においてもPFOS等問題はおこなったが、その際には第2報の地平で行い、今回は第3報が出たことをもって、さらに今すぐに質問するべきと判断し、緊急質問を議運に提案し、他会派からも同意を得て行うに至った。

米軍は5月9日と7月6日にサンプリングを行った。その結果が下の表である。単位はng/L(ナノグラム・パー・リットル)ナノグラムは10億分の1。1リットル中にどのくらい入っているかということを示す。約2カ月後に測定しても減っていない。減っていないどころか産業排水は顕著に増えている。

 

   

PFOS

PFOA

前回合算5/9

今回合算7/6

生活排水

入口

19

不検出

19

15

 

出口

100

12

112

112

産業排水

入口

不検出

不検出

不検出

17

 

出口

30

27

57

93

 

今回の第3報の内容と緊急質問を経ての本件に対する現時点でのポイントは

①PFOS等の流出は一過性の物ではない。 → 市長の言葉で言うと「常態化」である。つまりつまり5月4日にはじめて泡が発見されたときから、海水へ流出し続けていると思われる。

②PFOS等の流出箇所は排水施設内だと思われる。

さらに、不十分だと強く感じた点は以下の2つ。

・米海軍は「原因究明に全力を尽くす」と言っているが具体的には何をしているのか明らかではない。たぶん、何もしていないはずはないと思われるが、具体的にどうやって原因調査しているのかまったく報告がない。そのことを防衛省も、横須賀市も見て見ぬふりなのか、わざと触れないのか、追及がまったくない。私にはそこが理解できない。

・防衛省南関東防衛局は6月30日に独自に周辺海域の調査をしている。その結果はPFOS,PFOA合算値で1.7または1.8ng/Lだったと言い、環境省の定める指針値である50ng/Lを下回っていた。と報告した。事実だけを述べ、それを市長に伝えているが、実はこれだけでは不十分だと思う。なぜならば、米国のPFOSの指針値は0.02ng/L、PFOAの指針値は0.004ng/Lであり日本に2000倍厳しい基準を持っているからだ。

 

市長は今回の件に関してそうとうお怒りなのだろうと思っていたら、そうでもなかった。「大村さん、なんで、そんな悲観的なの?」と言い、国や米軍のふるまいの遅さにカリカリしている私を孤立させるかのような発言だった。それが市長の本心ならば、首長の資格はない。我が家の軒先に有害物質を垂れ流されて、のほほんとしているようじゃ市民の命と健康を守る責務のある首長失格である。本心ではないことを信ずる。

IMG_2211

一問目が終わったのち、市長は自分が答弁をする前に反問権を行使した。カウントダウンのデジタル計が20分のままで私が回答しているという稀有な画像である。