大村洋子
大村洋子大村洋子

教育福祉常任委員会他都市調査 報告書②

10月23日~10月25日まで市川市、広島市、西条市に視察にいきましたので、その内容をまとめました。

その第2弾です。

横須賀市議会へ提出した報告書と同じものを掲載しています。

 

 

広島県広島市

【認知症高齢者等保護情報サービス(QRコードシールの活用実態)について】

認知症になっても住み慣れた地域で安心して生活を生活できるよう、徘徊が繰り返し発生する認知症高齢者等について、「どこシル伝言板システム」を利用して、身元確認や引き渡しを円滑に行うサービス。

 認知症高齢者等に、スマートフォン等で読み取ることのできるQRコードが印字されたラベルシールを交付するとともに、当該認知症高齢者等が徘徊行動により身元不明者として保護された場合に、QRコードを読み取ることで、発見者と家族等が対象の安否情報をインターネット上で共有し、身元確認や家族等への引き渡しを円滑に行う。

利用の流れ

発見者が対象者の見守りシールに印刷されているQRコードを読み取る

発見者と対象者の家族等の間で、インターネット上の伝言板を用いて、保護された位置や対象者の健康状態等の安否情報を共有する。

事前に登録された家族等の(申請者)にQRコードが読み取られた旨の通知メールが送信される

保護された対象者の身元を確認し、家族等が対象者迎えに行き、引き渡しが完了する。

感想

広島市は人口110万人、高齢者率約25%。徘徊高齢者等SOSネットワークの登録者は約1,000人。そして、昨年2018年11月からはじまった「どこシル伝言板システム」QRコードの登録者は47人とのことだった。

47人という登録者数はあまりにも少ないなぁと感じた。お話の中では周知も行われているようだが、なかなか増えていかないといった印象をもった。

議論のあるところだと思うが、私自身は認知症の高齢者の持ち物や衣服にQRコードを付けるということに違和感を覚える。その違和感の底流には人権侵害に抵触するのではないかというものが流れている気がする。それと管理だ。高齢者を監視するという感じがする。長きに渡り日本を支えてきてくださった高齢者に対して敬意を払うべきであるのに、QRコードをスマートフォンで読み取って情報がわかるというハイテクノロジー、認知症を患っているご本人そっちのけで情報が飛び交うことにどうもすっきりしない。こういうモヤモヤ感が登録者数の少なさに反映しているのではないか。考え過ぎだろうか。人が亡くなるその時まで尊厳をもって生きるとはどういうことだろうか。考えさせられた。

 

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