大村洋子
大村洋子大村洋子

1000万トンとも言われる建築材に使用されたアスベスト 解体作業が続く中で自治体としての取り組みが大事になってくる

過日行われた決算審査でも市の持っている公共施設の解体作業の内容の中に、アスベスト分析検査委託料という項目が出てきました。2015年度の資源循環部に係る解体施設は、旧資源循環第2事務所と不燃ごみ減容固化施設が対象でした。

以前、「減容固化施設は、アスベストを含んでいるから解体作業で飛散が心配」という声を市民から受けて、担当課に尋ねたことがあり、その頃からこれからは何の解体作業にしてもアスベストの問題は大事になってくるなとの認識を持ちました。

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参加した「アスベストシンポジウム」は川崎市の先進的な取り組みや健康被害については医師からの報告、また熊本地震における被災家屋の解体の状況、被害者ご本人や遺族の方の訴えもあり、多角的な視点でアスベストについて学ぶことが出来ました。

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横須賀市でいうと環境の観点からは環境政策部、建材の解体除去の観点からは都市部、健康被害は健康部と他部にわたって考えることになります。

アスベストが建物に使われ始めたのは1970年代と言われています。私は1971年4月に小学校に入学していますが、学年は忘れましたが、確かに理科のアルコールランプ使用の時には、石綿金網がありました。(今、理科の実験の際にはどうしてるのかな)1970年代から1990年代まで石綿は使われていたといいますから、その建物がもう40年前後経つわけで老朽化で解体をむかえるものもこれから出てきます。使われ始めてしばらくして、石綿が人体に悪影響だと分かったにもかかわらず、すぐに止めなかったということも大問題です。そのために、今後の処理が大変です。

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横浜の会場に行く電車の中で、「前衛」の中に載っていた東京大学の鈴木宣弘教授の言葉が強烈でしびれちゃったので、書きとめておきたいと思います。

多国籍化した大企業の経営陣は、その資金力を利用して、政治、官僚、マスコミ、研究者を操り、大多数の国民を欺き、さらなる利益集中に都合の良い制度改変を推進していく。「対等な競争条件」の名目の下に「私腹を肥やすのに邪魔なルールや仕組みは徹底的に壊す、または都合のいいように変える」ことによって人々の命、健康、暮らし、環境よりも目先の私益を追求する。この「今だけ、金だけ、自分だけ」(三だけ主義)の行為こそが「1%」(富の集中する人々に対するスティグリッツ教授の象徴的な呼称)による「自由貿易」や「規制改革」の主張の本質である。

鈴木宣弘教授はTPPを批判して展開されているのですが、私にはアスベストを使用し続けた国と企業の姿勢が重なって感じられました。