大村洋子
大村洋子大村洋子

横須賀市の選択→全員喫食の完全給食 ここに至るまで→そしてこれから②

アンケートで露呈したお昼ごはんが準備できない生徒の存在ですが、そもそもこれは、3万筆の署名請願の請願書の中にも書かれていましたし、委員会当日請願者が切々と意見陳述をされていました。全国で起きている出来事が、横須賀でもアンケートをとって表面化したということです。私はこれは重大なことだと思いました。

以前、中西新太郎先生が昼食時間になるとトイレに行っていなくなる子や机に伏せて寝ているふりをする子がいるという話をされたことがありました。昼食時間を誰とどのように過ごすかということは、中学生、高校生の年代にとってとても大きなことであると中西先生は力説されていました。

私はその話を一般質問で市長、教育長と一問一答を展開する際に引用したことがあります。2013年の6月に行われた第2回定例会です。その際に、市長も昼時間をどのように友人と過ごすかということは大事だと答弁しました。当時の教育長は永妻教育長でしたが、さらに踏み込んで「中学校において1人でお弁当を食べている子がいると先生が気づいた場合には、きっと何かあるのだろうとその子が抱えている問題にそこからアプローチしていくことができたりと、給食の時間を子どもたちの様子を観察するという面からも、そしてまたきちんと友人関係が確立できているかどうか、そういう場としても給食の時間というのは大切な時間だと認識している。」と答弁しました。この答弁は心ある答弁だと思います。

前述したように2015年に教育委員会が行ったアンケートではお昼ご飯が用意できない生徒が顕在化しました。

アンケートの設問は昼食を用意できずに食べられない生徒がいるか。というもので、教職員の有効回答者数が611。「いる」は31.9%「いない」は57.8%「把握する機会がない」が10.3%でした。同じような設問を生徒の側面から聞いたものでは、設問があなたは、ふだん、中学校での昼食時間に何も食べないことがありますか。というもので、有効回答者者数が734。(何も食べないことは)ないが95.8%。月1回(何も食べないことが)あるが2.9%。週1回(何も食べないことがある)が0.3%。週2~3回(何も食べないことがある)が0.3%。毎日(何も食べない)が0.8%という結果でした。最後の毎日何も食べないという生徒が現場の先生が知っているだけで、734人中0.8%ですから、6人はいるということです。この6人はスクールソーシャルワーカーが個別で対応していると思いますが、理由までは明らかになっていません。また、このアンケート結果から考えれば、週に1回以上何も食べないという生徒は1.4%ということになります。これだと734人中約10人です。さらに月1回の2.9%を足すと4.3%になり734人中約31人になります。

なぜ、昼食を用意できないのかということは、ある意味デリケートな問題です。コンビニで買うのを忘れたとか、意図的に自分の好きなものにつぎ込むために、保護者からはお金をもらっているが、昼食は買わないとかなら、まだ深刻さはないのですが、生活困窮や保護者の精神疾患によるネグレクトなどが根底にあるとすれば、そこはただちにケアされなければなりません。

もし、このような現状で苦しんでいる生徒がいるとするならば、私はただちに改善されなければならないと思います。

ですから、完全給食を行わないという選択肢は自治体にはないはずなのです。

他の自治体のことを批判する余裕はありませんが、横浜市は真摯に受け止めるべきです。そして、ただちにアンケート調査をして実態把握するべきと思います。

そして、もっと言えば、完全給食は教育の一環ですから、文部科学省こそナショナルミニマムで行うことをするべきと思います。全国にバラツキがあること自体がそもそもおかしい。

生活困窮、貧困、「6人に1人がこども貧困」の観点で言えば・・・・・まだ、書きます。