大村洋子
大村洋子大村洋子

安保関連法が戦争法と言われる所以 元陸自レンジャー隊員の物凄いお話から―③

ぜひ、はじめからご覧ください。

・危険な場所へは若い年齢層が行く。なぜかと言えば、若い人は家庭をまだ持っていないので、補償の金額が安くて済むから。戦争遂行には金がかかる。

・米国防総省の資料によれば、アフガン・イラク戦争で死亡した米兵は6,775人。PTSD(心的外傷後ストレス症候群)は11万8,829人。

・南スーダンでは親を殺された子どもたちが少年兵として銃を持って向かってくる。その際に少年兵を撃たなければならなくなり、生きて帰っても心の病になることも出てくるだろう。

・PTSDの人は働けないから、生活保護になる。国の社会保障費が増える。アメリカがそうだ。

さらには、レイプ、ドラック、アルコール依存、殺人が増える。

・安保関連法、このまま進めば、南スーダン、アフガン、イラクと派遣地域が拡大していく。

・年齢階層別にみると、20代、30代の自衛官が少ない。だから、今学生にダイレクトメールを送って勧誘している。予備自衛官の募集も行われている。

・自衛隊法によれば、「防衛大臣は自衛官または自衛官候補生の募集に必要があると認めるときは、都道府県知事または市長村長に対し、必要な情報または資料の提出を求めることができる。」となっている。そして、実際、1742市区町村のうち1229の市区町村は積極的に情報提供している。

・自民党の憲法草案の中にある「緊急事態条項」が発動すれば、憲法と法律が停止。全てを内閣が政令によって決めることになる。憲法9条、13条、18条、25条が骨抜きになる。

・軍事研究をする企業や大学には手厚い補助金を出す。

・民間船員を予備自衛官化、これは事実上の徴兵制である。

・予備自衛官を雇用する企業に法人税額等の特例措置。

・日本は戦争には向かない。地理的にいっても北海道から沖縄まで3千キロあり、360度が海に囲まれ防御しづらい。

・資源に乏しく食糧自給率も低い。これでは長期戦に耐えられない。

・輸出入なしに経済は成立しない。中国市場は無視できない。

 

画像は防衛省自衛隊ホームページから。「専守防衛」ではなく「世界の平和」だそうです。言葉の表現で言うと憲法前文と同じですね。

防衛省トップページ

 

先日、総がかり行動実行委員会が呼びかけている2000万人統一署名で戸別訪問を行いました。その際に話した方の中に、「安倍首相が安保関連法を決めたことは良かった。今までの首相と違って、リーダーシップを感じる」というご意見の方がいました。私は驚いて、「まずは憲法を変えてからというのが手続きとして大事だったのでは?解釈で憲法を変えるというのはいかがでしょう?」と言うと、そのかたは狼狽えて、それからは少々ムキになって、「そういうやりかたでもやるときはやるのだ。」の一点張りでした。これは憲法というルールを無視してもよいという立憲主義に反する考え方の最たるもので、安倍さんと同じだなと感じました。こういう乱暴な考え方が全国には相当数いるのでしょう。そして、このことが日本の戦後の流れから完全に逸脱していることを自覚できていない、麻痺しているということが大問題です。

井筒氏のようにレンジャー隊員を経て、自衛隊の実態をよくご存じの方が警鐘乱打していることを真剣に考えなければなりません。「国防」や「災害救助」という崇高な志をもって入隊した若者が、憲法を踏みにじって解釈で乱暴につくられた法律のもといのちを失くすようなことがあっていいのでしょうか。おかしい、間違っていると思います。