大村洋子
大村洋子大村洋子

衣笠青少年の家(みんなの家)廃止にかかる市民説明会

市の施設が老朽化しているから何とかしなければいけないということはわかる。

人口が減り続けているから、今までの規模で施設を維持することはできない。そのこともわかる。

施設は減らすが、出来るだけ機能はのこしていく、そういう工夫をしていく。そのコンセプトも正しいと思う。

しかし、どうも噛み合わないのはなぜなのか。

前回の出前トークに参加した際も今日の「市民説明会」に参加した際も、それは感じた。

 

私は心底がっかりしている。

というのも、「施設配置の適正化」、これは前市長の吉田氏が行って失敗したものだが、上地市長はその失敗から何の教訓も得ていなかったということが明らかになったからだ。

前市長の敗因の一つは人口減少、少子高齢、財政難の話ばかりして市民に横須賀の将来ビジョンを指し示すことができなかったことだと私は思っている。吉田前市長は市民の前に出て話すのがお好きな方だったので、自ら「施設配置の適正化」を何か所かでプレゼンした。ニコニコとハキハキとしかし、聞いた後に胸を悪くするような暗い話の連続ばかりの話だった。

そして、結果、市民に愛想をつかされた。施設の統廃合は総論賛成各論反対になりやすいと言われている。上地市長になって「施設配置の適正化」は「FM戦略プラン」と名前が変わった。前市長の失敗から教訓を学んでいれば今日のような「市民説明会」にはならないはずだ。

何が問題か。

一番の問題は「FM戦略プラン」をまちづくりとして捉え、市民とともにこの横須賀をどうしていくのかというところに市が立脚していないと言う点だ。

私たち提案する人、あなたたち受け入れる人という構図になっている。

吉田市長の時と何も変わっていない。私はこの点が問題であることをさんざん議会の場で指摘してきた。

施設はすべて市民のものである。その施設をどうしていくのか、利用者である市民の意見、アイデア、工夫、要望を徹底的に聞きとって、ではどうするか、一緒に考え作り出していくという立場に立ってもらうことが大事だと思う。

それは途方もなく苦労の多い、時間のかかる作業ではあるが、それこそが住民自治を育み、民主主義を前進させるものだと思う。選ばされるのではなく、住民自らが選ぶこと、主体的に現状を捉え打開のために知恵と力を注ぐこと、それが大事だと思う。

ピンチはチャンスという言葉があるが、自治体におけるファシリティマネジメントはそういうものとして捉えるべきではないか。

言うは易し行うは難し。それでもそのプロセスを経ることは決して無駄にはならない。むしろ市民にとって、我がまち横須賀の醸成になるのではないだろうか。

自宅から見た朝焼け (1)

浦賀の朝焼け

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