大村洋子
大村洋子大村洋子

「はつらつシニアパス」高齢者の健康保持施策に大胆にお金を充てるべきではないか

昨日から2015年(2014年度)横須賀市議会第1回定例会がはじまった。私にとって、2期目最後の定例会。そして、井坂しんや議員と一緒の定例会はこれで最後となる。井坂議員は来期からは県会へ行く予定だから。

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今日は、さっそく教育福祉常任委員会の補正部分の審議があった。12月に閣議決定された「地域住民生活等緊急支援のための交付金」というのが国からきてそれの補正の審議があった。この交付金には2つの種類があって、①地域消費喚起・生活支援型と②地方創生先行型というのがある。教育福祉常任委員会の所管の福祉部には高齢者生きがい対策費として「はつらつシニアパスの発行」に4419万8千円がついた。ここの部分を少し質疑した。

今、横須賀市の施策として「はつらつシニアパス」というのがある。65歳以上の高齢者が半年間、横須賀市内巡行の京浜急行バスに乗り放題というもの。本人負担が17,900円。1年間の発行枚数が15,000枚だったものを前述の交付金を使って16,000枚にしようというものだ。これじたいは悪いことではない。良いことだ。そこで、少し近隣自治体のことも調べてみた。すると横浜では所得によって負担額が違っていて、ちなみに年間合計所得が500万円~700万円の人は1万円だった。生活保護受給世帯や非課税の人は3200円、しかも1年間だった。ただ、横浜の場合は70歳からが対象。川崎はどうかというと川崎の場合はやはり70歳以上で1か月1,000円のフリーパスというもので、所得制限はないようだった。逗子市では福祉バスというものが運行されていて、これは無料。自治体によってずいぶん施策に違いがあるもんだなと思った。

市長は「生涯現役」と言って高齢者の施策を展開している。ラジオ体操やウォーキングがそうだ。これは国民健康保険の給付を減らすという自治体財政の面を考えても大事な施策との認識が強いと思う。であるならば、本来はもっと大胆にここにお金を投入してもいいのではないか。例えば、「はつらつシニアパス」は本人負担が17,900円。市の負担が1,800円、京急が900円、合計で20,600円。本人負担が大きすぎる。

今日、私は本人負担を例えば15,000円にするというのはどうかと聞いてみた。担当課長からはこれは時限的交付だから、金額を変えると後々困るというような答弁だった。だからこういう交付金ではなくて、大胆に市の一般財源で行えばいいのではないか。16,000人分を15,000円にすると、1人今より2,900円安くなるから、4640万円。1人1万円にすると7,900円安くなるから1億2640万円。このくらい財源投入できないかな。高齢者の健康保持を考えるなら、このくらいの大胆さがあってもいいのではないか。財政調整基金が131億円あるのだから。

教育委員会の補正審査では、学校営繕工事費が小学校では8億1369万8千円の予算が、実際は6億8175万2千円使われ、1億3194万6千円余ったという点について質疑をした。入札等による工事請負費の減が理由とのことで、確かに入札はフタを開けてみないとわからないということが多分にあるのはわかる。しかし、どうにも解せない感じがした。学校現場の先生からは、もっと校舎の営繕にお金を付けてほしいという声を聞く。一方でこうして使われないお金が1億円以上も最後に出てくるというのは釈然としない。

それに、奇しくもさっき「はつらつシニアパス」を1人1万円にした場合、必要なお金が、学校営繕工事費のあまりで充てることができるではないか・・・・たまたまだけど。そう考えると、市民が納めた税金をどう有効に使うか、これは本当によくよく考えていかなければならない問題だなと思う。家庭においては貯金は美徳ではあるけれど、自治体財政においては、使わず貯めておくだけのお金は働かないお金として、何の意味もないと思う。市民が納めた税金がしっかり市民の暮らしに返っていくような施策を打つべきだ。この視点で2015年度予算の審査もしっかり行いたい。