新港ふ頭へのフェリー就航をめぐる陳情 結果は全会一致で趣旨了承
10月26日、今回の陳情者から市議会の全議員へ「フェリー就航に伴う勉強会開催(お願い)」というものが届いた。
11月4日の夜、商工会議所で行うというもので、日本共産党市議団は3人で参加した。
藤野英明議員、小林伸行議員、小室卓重議員のお三方とで議員は合計6人の参加だった。
その際の私の印象は、「市は住民への説明を完全に怠った」だった。
そして、事を重く見た私たちは11月6日に「新港ふ頭フェリー就航について十分な報告と説明を行い地域住民の不安解消に取り組むことを要請します」という文書を上地市長に提出した。
そして、タイトルのとおり、昨日都市整備常任委員会で陳情が審議され、全会一致で趣旨了承となった。
陳情の趣旨と市役所みなと振興部の調査や考えた方の資料を以下に添付。
今回、この陳情審査の答弁者として常任委員会に田中茂副市長が出席した。
なぜか、
私はこういうことだったのではないかと思っている。
過日、小林伸行議員が議会運営委員会の中で、フェリー就航問題について議会の態度が問われている、議会としてアクションを起こすべきではないかと提案。
議会として新たに会議体を設けるということではなく、結果として議長から市長への報告説明要請が着地点となった。
私は小林議員の提案に全面的に賛同の意を表さなかったが、小林議員のアクションはトリガーとなったと思う。そして、議長から市長への要請も妥当であったし、それを受けて副市長を出席させたという判断も良かったと思う。
そして、神奈川新聞をはじめ報道がこの問題を大きく扱い、世論喚起となったこと、なにより、陳情者たちが、一番最初に勉強会を開催し、議会へ投げかけ、マスコミへも呼び掛けた。このような一連の取り組みが功を奏したと思う。
ともあれ、こういった客観的状況の中で、真っ当な主張である住民の陳情は全会一致で趣旨了承となった。本当に良かった。
良かったのだけれど、主体的に捉えると、ちょっと凹むこともある。
住民説明を怠ってきた市の姿勢は重大である。
同時に4月から都市整備常任委員としてみなと振興部をチェックする立場であった私自身反省しなければならない。
私は10月26日に勉強会開催のチラシを手に取ったその時に、正直、これはまずいと思った。市長の9月15日の記者会見での表現によれば市と港運協会は「決裂」しているのは知っていたが、地域住民に対しては当然お知らせをしていただろうと思っていた。特に問題が起きるとは思ってもみなかった。しかし、実際はほとんど何も報告説明が届いていなかった。
昨日の質疑の中でも、港運協会との合意が進まず、フェリー会社とも具体化が進まない中で、地域住民へは詳細な説明が出来る材料が整わなかった・・・というような答弁があり、だから結果として不安に応えきれなかったということだった。コロナのこともあり多くの住民を集めて説明会というのも現実的ではなかったとのことだ。
しかし、これは理由にならない。具体的な計画がまだであったとしても、既に市とフェリー会社は就航の締結を華々しくおこなったのであるから、そのお知らせと今後具体的にご報告しますと示すことはできたと思う。そういう市の住民への姿勢がなかった。誠実さを見透かされた。
画像は新港ふ頭 横須賀市最大の港。市のホームページから。
私は住民と市との関係、港運協会と市との関係は似て非なるものだと思う。残念ながらこの問題はそんな単純な構造ではない。
私は煎じ詰めると市長の姿勢ではないかなと思う。
一般質問で私は、自らが出向いて直接利害関係者と話し合うことも大事ではないかと問うた。市長は「今までにそのような場面はなかった」と言った。私はうわまち病院の移転建替えの際の説明会、そして今回がまさにそれではなかったかと思う。フェリー就航についてはすでに港運協会が市を訴えたので、機を逸した感があるが、本来ならば横須賀市の最高責任者として誠意をもってことに当たるべきであった。職員に的確な指示を出すこと以上に、時には自らが動くべきだ。そういう構えがほしかった。機を逃さぬセンシビリティーがほしかった。ものごとは全てではないにせよ、人と人の関係性が推し進めるものだ。利害がぶつかる場面では誠実な接近が何より必要なのではないか。暗雲垂れ込める横須賀市政に心底憂う。