東京湾要塞跡国史跡指定記念シンポジウム
猿島砲台と千代ヶ崎砲台の跡が国の史跡指定になるにあたってシンポジウムが開かれた。
昨年の初夏、私は千代ヶ崎砲台跡地に教育福祉常任委員会の市内所管事務調査で行った。それで、正直かなり驚いた。これは是非とも市内外の人々にも観てほしいと思った。今回はじめて、猿島と千代ヶ崎の砲台跡の軍事要塞跡が国指定となるということだ。講演された防衛研究所で軍事史を研究されてきた原剛氏によれば「軍事関係遺跡は平和思想に反するので保存の必要性はないとして破壊しているところがあったが、これは現代人の横暴である。現代人に後世の人が歴史を学ぶ権利を奪う権利はない。歴史は現代人だけが学ぶものではない。遺跡を保存し、その評価はその時代の人に任せるべきである。」と言っている。私も同感だ。ただ、それを伝える現代人の姿勢は必要だと思う。つまり、2度と戦争を起こさない、起こしてはならないという鮮明な立場である。
防衛省から文部科学省へ移管され、横須賀市が維持管理をするようになった際には、月1くらいで活用したいとの発言も出ていた。千代ヶ崎は西浦賀にある。観音崎、浦賀住重跡地のレンガドックと合わせて、ぜひ貴重な国指定の史跡として多くの方々に訪れてほしい。そして、米海軍基地内にも貴重なドライドック(乾ドック)がある。これも返してもらって、壮大な歴史遺産のテーマパークにしてはどうだろうか。そうそう、この前おこなわれた「中島三郎助まつり」の舞台で地元のバンドの人たちが歌っていた歌詞に「横須賀は町自体が博物館」というのがあった。本当にそうなるといいな。「軍港めぐり」で年間18万人からのお客さんが来るらしいけど、いつまでも日米の基地に依存した観光を展開するのではなく、過去の歴史や文化から学び取り横須賀のアイデンティティと平和発信基地としてのまちづくりを模索することの方がずっと深みがあっていいと思うのだけれど。