大村洋子
大村洋子大村洋子

自助・自立を強化すれば、人死にさえ出る。生存権行使こそ強化しよう。

地域の仲間と新年のごあいさつを行った。いつも生活相談活動を熱心に行っているMさんと私がずっと気にかけていたAさんのお宅へも行くことにした。60歳代の男性2人兄弟でくらしているお宅。弟さんの障害年金とお兄さんの老齢年金で合わせ、1か月14万円弱、家賃が6万円とのことだから、残りの8万円で光熱水費と食費をやりくりしなければならない。ざっと計算してのイメージがそんな感じ。国民健康保険料は滞納せざるを得ない、介護保険料は年金天引きだから、否応なく差っ引かれて厳しい。

暖房を節約しているので、家の中でもジャンパーを着て、首にはマフラーがわりのタオルを巻きつけていた。玄関を開けて中に入れてもらって話をしたが、外気とまったく変わらない玄関の気温、これじゃー、寒い、一緒に行ったMさんと私は顔を見合わせた。しかし、ご本人たちは以外と「たくさん着てるから大丈夫」「春になれば、日当たりも良くなって、暖かくなる。」なんて淡々と、呑気にさえ感じるような言い方をする。水道の領収書を見せてもらったら、2か月で7㎥の使用だった。私は市会議員になる前に水道の検針員をしていたので、水道の使用料でだいたいどういう生活をしてるかがわかる。2人の大人の2か月分の水道使用量としては極端に少ない。「風呂には入らない。血圧が高いから、怖い。」と言っていた。

私とMさんは市役所の福祉事務所に一緒に行きましょうと誘った。最後までお兄さんはうんとは言わなかった。過去に相談に行って、嫌な思いをしているから。

 

新年会、賀詞交歓会で、市長をはじめいろんな方々のごあいさつをこのところ、聴く機会が続いている。みんな「地域の力で」とか「市役所は町内会や地域のみなさまをバックアップします。」という言葉がどうも、耳につく。自公政権がさかんに言っている「自助・自立」だ。福祉でも、防災でも、最近は観光でもまずは「自助・自立」という。聞こえはいいが、結局「自己責任でやってくれ、それで、どうにも行かなくなった時に、はじめて公を活用してくれ」ということだ。そういうことをバンバンながすから、我慢する市民が増える。本来の国民の権利、市民の権利まで我慢する。今までもしてきたけれど、これからは益々、こういう層に働きかけていかなくてはならないと思う。

久里浜3丁目高台からの眺め

今日は雲一つない冬晴れの寒いけど穏やかな日和だった。お天気は良かったが、どうも釈然としない気分が残った。