大村洋子
大村洋子大村洋子

12月議会が目前に迫ってきている。今回は久しぶりに「こどもの貧困」を質問項目に入れた。生活保護制度の度重なる引き下げ、そしてそれと連動した就学援助制度の対象者の削減。しっかりと考えねば。考えて主張せねば。

日本共産党市議団は9月15日から11月15日まで市政アンケートを行った。今回は「こどもの貧困」の設問も多く入れた。

「こどもの貧困アンケート」と言えば、昨年2月の代表質問で当時の吉田市長とやり取りを行い、それが結実したかたちで今、こども育成部によって行われている。内容、設問がよくできている。特に私が質問した「剥奪指標」の観点を入れているところがよい。

小学校5年生と保護者、中学校2年生と保護者、それぞれにアンケートをしている。

例えば、自分が使うことのできる以下のものがありますかと問うて、「ある」「ない・ほしい」「ない・ほしくない」という回答欄がある。13の具体的なものが並び、その中には、自分だけの部屋、自分専用の勉強机、自転車、友達が着ているのと同じような服、携帯電話などという項目がある。これは剥奪されているか、否かをみる設問である。また朝ご飯を毎朝食べるか、誰と食べるかという設問や、自己肯定感を問う設問も見受けられた。保護者のアンケートでは収入を聞いているし、こどもを医療機関に受診させたほうが良いと思ったが、受診させなかったことがあるかを問うている。また、家計について聞いていり、光熱水費を払えなかったことの有無を聞いている。経済的理由で家にないものは?と問うて、項目にはこどもの年齢にあった本、炊飯器、インターネットにつながるパソコン、世帯専用の風呂、世帯人数分のベッドまたは布団等というものがある。さらには支援制度の利用を望むかということで、生活福祉資金、生活保護、児童扶養手当等の項目がある。

これらは「こども未来プラン」という今後の施策・政策の目安となる計画づくりに反映されていくと思うが、こどもの実態をしっかり把握するためにとても大切なアンケートになるだろう。すごく注視していく。

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2017年2月の代表質問の内容を書き記しておきたい。

大村洋子  「格差と貧困で一刻も放置できないのが、子どもの貧困です。先日、NHKスペシャルで「見えない貧困」が放映されました。その中では、新しい剥奪指標という切り口で貧困を見える化していました。私は、食べること、学ぶこと、機会や経験、つながりを保障することが大事だと主張してきましたが、そのことはますます重要となっています。予算案の中では、生活困窮世帯の子どもへの学習支援の実施場所を2カ所から3カ所へとふやすことが提案されています。学びとつながりの場を提供することは、児童・生徒自身のためはもちろん、将来横須賀市を背負って立つ人になってもらうために、大切な施策です。私はこの施策は、爆発的に市内の至るところで展開すべきと思いますが、市長のお考えをお聞かせください。また、既に国が全国で始めていますが、本市も子どもの貧困の実態を総合的に調査すべきと思いますが、市長のお考えをお聞かせください。」

吉田市長  「次に、国が全国で始めている子どもの貧困の実態調査を本市も行うべきという御提案をいただきました。
 子どもの貧困につきましては、通常の学校生活の中などでは見えにくい実態があることは承知をしています。そのため、こうした子どもの貧困を考えるに当たって、その実態を把握するためのアンケートなどは非常に大切であると考えていますので、国などの情報を注視しながら前向きに検討を進めてまいります。」

一問一答

大村洋子  「それから、子どもの貧困の実態調査をしてくださいという点については、前向きに進めようというお考えを述べていただきました。これはとても大切なことで、神奈川県でもかながわ子どもの貧困対策会議というのをことしの4月から行っています。年に多分3回行うのだと思うのですが、春と秋に行っていて、もう1回行われるかもしれませんが、そういう点では神奈川県でも行っている、国でも行っている。

 ですから、市でもぜひ進めてほしい。進めていただく際に、総合的に行ってほしいのです。学ぶということとか、食べるということとか、人とのコミュニケーションとか、経験ができているかとか、剥奪指標の話をしましたけれども、そういう見えにくい部分についてぜひ設問などを入れて、工夫して行っていただきたいのです。いかがでしょうか。

吉田市長  「ぜひ調査項目は工夫をしていきたいと思います。

大村洋子  「よろしくお願いします。市の中でも、私はこの前、資源循環部所管の久里浜事務所に行きました。そのときに見たのは、段ボールの中に缶詰とか、乾麺とか、ラーメンとか、そういうのが集められていたのです。これはフードドライブといって、使わない食料品を庁内の職員が部署部署で多分集めているのだと思ったのです。何かしらの形で使うのだと思うのですけれども、庁内の職員の皆さんもそういう意識があるということです。ぜひ子どもの貧困問題は大切な観点ですから、市長は子どもの施策を重視するとおっしゃるわけだから、ぜひここは進めていただきたいと思います。最後にここは所見を伺って終わりたいと思います。

吉田市長  「貧困に関しては、議員がおっしゃられるように見えにくい貧困というところにまさに光が当たるべきだと私も考えています。携帯電話を持っているからといって、決してそれが貧困ではないという指標にはなり得ないのだということを私も学んでいます。ですので、どのようなところで子どもたちが貧困を理由にさまざまな機会を奪われているかというところにしっかりと光が当てられるような調査を行っていきたいと思いますし、またそれを踏まえた対策などについても研究していきたいと思います。」