「自衛隊明記、違憲論争に終止符を」改憲に拘泥する安倍首相と幣原首相の「素晴らしい狂人」歴史的使命を日本が果たす・・・・憲法第九条を考える。
最近、よく「まほうの竹ぶえ」の話を思い出す。
朝、寝床で目が覚めて、夢うつつのトローン状態のときに「まほうの竹ぶえ」のことを考えたりする。
人間には膨大な無意識の貯蔵庫があり、それが睡眠と覚醒のはざまのときが一番繋がりやすいのだそうだ。
「まほうの竹ぶえ」というのは小学校の低学年のときに読んだ本で、マモチンという男の子が、この子が乱暴者で犬や猫など動物をいじめてばかりいる子なのだが、ある日竹やぶに入り、竹ぶえをつくる。その竹ぶえは素晴らしい音色で、マモチンが竹ぶえを吹くと鳥や動物が寄ってきて聞き惚れる。すっかり竹ぶえを吹くことが楽しくなったマモチンはだんだん優しい子になっていく。
学校が夏休みに入ったある日、マモチンは「小人の国」に行く。(なぜ、「小人の国」に行ったのか、そのいきさつは忘れてしまった。なんせ、45年以上前に読んだのだから)そこでは2つの国で争いが起こっていて、大砲の弾が飛び交っていた。マモチンは争いの場の中央にある木に登り、そこで竹ふえを吹く。すると、不思議なことに、小人たちが持っている剣や鉄砲がみんな手から離れて宙にプカプカ浮きだした。小人たちは驚き、剣や鉄砲をつかまえようとするが、剣や鉄砲はどんどん高く離れてしまう。そして、小人たちは、マモチンの吹く竹ふえの音色の美しさにみなうっとりとして、いつの間にか戦争を止め、抱き合ってニコニコ笑いあい仲良しになる。
そんなお話。
最近、このお話を反芻する中で、これは、私にとって反戦・平和の原点だなぁと感じるようになった。
過日、太田伊早子弁護士の憲法のお話を聴いた。
レジュメの中に幣原首相のインタビューの抜粋の紹介があった。ネットで検索してみると、この幣原氏の発言はかなり有名なものであることがわかった。
幣原喜重郎首相は憲法制定に尽力された方で、特に9条(戦争放棄条項)成立に大きな役割を果たしたと言われている。
非武装宣言ということは、従来の観念からすれば全く狂気の沙汰である。だが今では正気の沙汰とは何かということである。武装宣言が正気の沙汰か。それこそ狂気の沙汰だという結論は、考えに考え抜いた結果もう出ている。
要するに世界は今一人の狂人を必要としているということである。何人かが自ら買って出て狂人とならない限り、世界は軍拡競争の蟻地獄から抜け出すことができないのである。これは素晴らしい狂人である。世界史の扉を開く狂人である。その歴史的使命を日本が果たすのだ。
自民党の定期党大会が開かれ、安倍首相は「憲法にしっかりと自衛隊を明記し、違憲論争に終止符を打とうではないか。これこそが今を生きる政治家、自民党の責務だ。」と改憲に強い決意を表明したと言う。
マモチンの「魔法の竹笛」も幣原首相の「素晴らしい狂人」も軍拡競争の愚かさを教えてくれる。
自民党は結党の精神が改憲であるが、自民党が目指す改憲で本当に日本国民が幸福になるだろうか。
うちのモル助ども。
過去も未来も憂うことはない。“今を生きる”のはこの子らも一緒。