大村洋子
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資本主義はどこへ行くのか。このまま格差が拡大していけば、世界は危機に直面・・・トマ・ピケティ教授

フランス人経済学者のトマ・ピケティという人の書いた「21世紀の資本論」という本が世界中で読まれ、とても話題になっている。時を同じくしてNHK教育テレビで「白熱教室」が6回シリーズで放映される。

“資本主義”というもの、そのものをテーマにする雰囲気がここ数年ある。

経済学者の水野和夫氏が「資本主義の終焉と歴史の危機」という本の中で「資本主義の終わりのはじまり」と言っている。また、昨年は「里山資本主義」という本がこれもやはり、今までの「マネー資本主義」のゆきずまりを告発し「やくざな経済の成れの果て」を「かたぎの経済」に変えられないかと模索している。ピケティ教授は「このまま格差が拡大していけば、世界は危機に直面するでしょう。」と言っている。

資本主義の次の社会は、社会主義・共産主義なのか。そうそう単純にものごとは進まない。暮れに訪問活動をした際に、「共産党は私有財産の没収をしようとしてる。そんな政党は嫌いだ。」とはっきり言う方がいた。もちろん、そんなことはありえない。その方は大きな偏見、思い込みで共産党を見ていた。良く言われることだが、共産党は大企業を敵視し、大企業は全部ぶっつぶれればいいと思ってると思われている。そうではない。儲けはけっこう、しかし儲けたなりの税金を納めてくださいよと言ってるにすぎない。そして、働いた分の賃金をしっかり労働者に払ってくださいよと言ってるにすぎない。サービス残業は違法だし、正規雇用があたりまえの社会をつくりましょうといってる。至極当然、至極まっとう。

「資本主義」というものが、誕生時期、成長期とは様相を異にして、これからは今までのような流れではうまくいかなくなっている。ピケティ教授は「格差」というものを数百年にわたる様々な国の膨大なデータを基にして解析しどうすれば持続可能な社会が作れるのか、提案している。

「アベノミクス」は80年代アメリカ、イギリスの「トリクルダウン経済理論」をベースにしているといわれている。とっくの昔にレーガン政権やサッチャー政権が行って失敗したもの。それが今なぜ、日本でおこなわれるのか。実質賃金は17か月連続減少。GDPも2期連続マイナス。富める者はますます富み、貧しい者はますます貧しくなると言われ、二極化、格差が拡大していく。私はこういう愚かな経済政策は早く止めてもらいたいと思う。ついでに安倍内閣にも御退室願いたい。

私は今年も「貧困」にとことんこだわり、経済的困窮者とともに常にある市会議員でありたい。そのためには、「格差」「貧困」の背景にある経済的な根拠にもしっかりスポットをあてて勉強していきたい。