大村洋子
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教育委員会教育長選任議案③終

単純な疑問として、独立したそれぞれであるはずの教育委員会と市長部局が、なぜ、教育長を決める段になると、そのことを巡って、質疑を交わす相手が市長になるのか。自問自答すると、それは①の冒頭にも書いたとおり、議案の提出者が市長であり、それは「地方教育行政の組織及び運営に関する法律の第4条第1項に「教育長は地方公共団体の長が議会の同意を得て、任命する」とうたわれているからだ。

システムとして独立していたとしても、横須賀市政全体の総責任者は市長であるから、すべての議案の提案者は市長になる。そういう立て付けのもとで、教育委員会教育長の選任議案は市議会議員のもとにやってくる。

それで、いったい、何を問題にしたいのかと言うと、教育長、副教育長を決める際に、首長はどこまで関与できるのか、これに私は今回の、というより前回の副教育長選任の時から違和感を覚え、こだわってきたのである。

事の発端は、昨年2025年6月定例議会においての市長の答弁まで、遡る。市長は「三顧の礼で副教育長は私がお連れした」と発言した。「三顧の礼」とは三国志に出てくる故事のことで、劉備が諸葛孔明を軍師として迎えるにあたり、3度訪問して、礼を尽くしたというものだ。つまり、私的に言うなら上地市長は生田氏に対して「あなたにぜひ、横須賀に来ていただきたい。あなたの持っている類まれな教育行政への熱意と実践をどうか、横須賀において発揮していただきたい」と馳せ参じ熱烈に請うたということである。

私はこの、市長の行為と行為からくる思いと、思いに至るプロセスーきっかけから決定にいたる流れーが、「政治と教育」の関わりとして適正なものなのか、「三顧の礼」発言で直感的に違和感を覚えた。

地方教育行政の組織及び運営に関する法律の第4条第1項には「教育長は地方公共団体の長が議会の同意を得て、任命する」とあるが、同法の第21条第3項には「教育委員会及び教育委員会の所管に属する学校その他の教育機関の職員の任免その他の人事に関することについては教育委員会の職務権限」とうたわれている。

私は第4条第1項は任命における手続き論をうたっていると解釈した。他方で、21条第3項は人事における教育委員会の職務権限であり、ここが本質論だと思う。あけすけに言えば、今回の上地市長の生田副教育長→生田教育長の人選は市長の教育委員会への介入ではないかということだ。

「『三顧の礼』で副教育長は私がお連れした」という表現には強い能動性を感じたことから、看過できないなと思った。そんな思いを背景に持ちながら、質問をつくり、質疑を行った。

結果どうだったのか。市長は「反問権」を発動させ、私に逆質問してきた。最後には答弁者にも入っていなかった現教育長に答弁を委ねるかたちとなった。現教育長が助け舟をだしたのだ。

教育長のお出ましで、趣旨は伝わったなと私は思った。もともと政治の教育への介入について、強い戒めを持っているであろう上地市長には故意的に政治介入するつもりなど毛頭ないに決まっている。私はそう思っている。市議会議員時代の議論を聴いてきて、そう思っている。しかし、自分でも知らぬうちに踏み込んでいるとしたら、それは指摘せねばならない。今回の教育長選任議案の質疑に込めた私の思いなのである。

横須賀の将来、日本の未来を担うこどもたちのあらゆること。教育行政のフィールドは広大だ。

美術館に展示された子どもたちの作品